最近、不思議なことに海外からのご相談が少しずつ増えています。インターネットからのお問い合わせもありますが、実際にご来社いただく方も増えています。私のような昭和生まれには、特に宣伝もしていない大阪という地方で営業している小さな会社まで自分で情報を得てわざわざ海外からお越しになることなどは、想像もできませんでした。
ご相談に来られる地域は、英国、米国、ドイツ、中国、香港、インド、中東等まで、とても範囲が広く、ご相談内容は社会不適応や薬物の問題がメインです。例えば、高校生から薬物依存が始まったとか、発達障害の診断を受けて治療を行っているが、ますます暴力的になっていて手におえないので何とかならないかなど、社会適応上の問題のご相談が多いです。基本的にほとんど日本と相談内容は変わりません。文化的な違いがありますが問題の根底は同じであり、どの国も親御さんの悩みは同じなのだと改めて感じるところです。
しかし、なぜわざわざ言語も文化も異なる日本にまで来られるのかと不思議に思っていましたが、コンサルタント件数が増えるにしたがって少しずつその理由が分かるようになってきました。それは自国や他の先進国でさまざまなプログラムを受けたものの効果が認められず、途方に暮れていたこと。そして、いろいろな人に相談したりインターネットで調べていくうちに弊社にたどり着いた。自分の人脈を辿っていくと弊社の元クライアントさんの保護者につながって、直接話しを聞いてみると良い効果が出ていることがわかったので、藁をもつかむ思いで弊社まで相談に来たと言われるパターンがほとんどです。やはり、実際の効果を基準に判断されていることが分かります。
この背景には、人のつながりが世界中に広がっていて、インターネットの普及と共にますます個別に情報が流通していることが分かります。いわゆる口コミの情報を参考にしてこられているのですが、世の中はこんな身近なところまでグローバル化していることに驚きます。このような弊社の小さな情報がデジタルでアナログで流通しているのが情報社会の特徴かもしれません。
そして自らのお子さんのニーズに対するサービスの提供があれば、国境を超えてまで求めてこられるご姿勢に感服するとともに、社会的企業としてそのご期待に応えるためにも国際的に高度なサービスをご提供できる体制を誠実に整えていかなくてはならないことを痛感しています。実際に、海外からお越しになられた皆さんが口々に、欧米には支社がないのか、または出す予定はないのかと尋ねられるからです。
このような現状を見ると、弊社も社会的企業として海外の方に対するサービス展開も一つの重要な課題であるとの思います。社会的企業として扱うこれらの問題は世界共通であり、弊社の持つ技術がお役にたてるなら、今後は、海外の方々へのサービスのご提供を総合的に地道に展開していきたいと考えております。