長男は小学校に上がって、文字が書けないことがわかりました。学校でも、個人でも字を書く訓練をしましたが、ひらがなを書くことが精一杯でした。漢字は小学校1年生程度がせいぜいで、それが原因で高校受験もできず、専修学校高等課程で学ぶことになりました。
そこでも板書は漢字が写せず、自分で漢字をひらがなに変換して書いていたので、時間もかかってなかなか学力が上がりませんでした。
文字を書くことは苦痛だったのですが、それでも本人は歯を食いしばって頑張っていました。何とかしたいと色々な専門機関や指導教室などに通いました。結局12年以上もの間、様々な努力をしましたが、最初のレベルから改善せず、とうとう家族も本人もあきらめてしまいました。
そんな時、薫化舎のプログラムを知り、もうこれで最後だと思っておそるおそる相談に行きました。カウンセリングを受け、内容に期待が持てたので探索プログラムを契約し、後日マッチングテストを行いました。結果、プログラム適合性があるという判断が出ましたので、認知の処理速度を改善するプログラムを受けることにしました。
すると、プログラムを受けた当日に、ホワイトボードに書いてある通りに板書ができたのです。本人も驚いて笑っていました。長男は学習障害ではなかったのか。今まで一体何だったのだろうかと不思議な気持ちになりました。
以前は先生や講師の話などは、聞きながら文字を書くことができなかったのですが、その後訓練が進むと、授業の内容も聞き取りながら、その上、同時に漢字交じりで板書もできるようになりました。書くことも聞くことも同時にできるようにもなったのです。
現在では、板書が楽になり授業の内容もよくわかるようになって、大学生活をエンジョイしています。現在は、大学院進学かお誘いのある企業に就職するかで迷うまでになりました。
このケースのように、読み書きの困難といわれるものも、タイプによっては改善が可能な場合もあるのです(ただし、システムプログラムなので、どうしても時間とコストがかかってしまいます。ですので、ご両親などのご協力が重要となります)。薫化舎では、学習障害なども「発達に課題を抱える」社会適応上の問題の一つとして捉え、解決をあきらめず、様々な角度からチャレンジし続けています。